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イノベーションと道化

2016.05.11

得てして人は変化を望まず、居心地の良い現状に安住していたい傾向があると思います。

いつもの通勤ルートであれば電車で座れるし、出社に遅れることもほぼないので、わざわざ変える必要がありません。ちょっとルートを変えれば通勤費用と時間が2割程度削減されるにも関わらず、です。やはりルートを変えると座れないというのが一番の理由で、通勤ルートの変更という“変化”を受け入れません。

イノベーション=革新も同じです。

革新の先にある明確なメリットが見えているにせよ、現状を変える煩わしさからデメリットばかり注視してしまい、終ぞ“変化”は起こらない場合が多々あると思います。

そんな逆境の中、イノベーションを起こすというのはどういったことなのか、少しお話をしたいと思います。

イノベーションを促すには「ストレンジャー(※)」視点が大いに役立つと言われています。

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1008_03.pdf

(※)ストレンジャー=外部要員、異端者、等々…

特に既成概念、日常的なものの見方、価値観、行動様式など、わたしたちは暗黙のルールの中で活動をしている訳ですが、「ストレンジャー」とはそういった暗黙のルールの正当性を偏見や先入観なく評価する存在です。つまり、変革を起こすために必要である「別の視点」をもち、「疑問を呈する」ことが出来る存在です。

そういう意味では、「ストレンジャー」=イノベーターという図式も成り立ちます。

ところで、イノベーターが慣れ親しまれた日常に対して疑問を呈する存在であるならば、鼻つまみ者になること受けあいでしょう。

前述の通勤ルートの話でいえば、慣れ親しんで楽なルートを無理やり変えようとするのがイノベーターな訳です。人によってはこの上ない厄介な存在となる可能性が高いのではないかと思います。

これは会社組織の中でも同じです。

それなりに歴史がある会社であれば猶更、暗黙のルールが多くあります。良くも悪くも、社員はそれに沿って惰性的かつ盲目的に仕事をしている場合が多々あると思われますが、そこにある意味無理やり鉄槌を下すのがイノベーターです。

古参の社員のみならず、あるていど会社に慣れ親しんだ社員でも鬱陶しく感じることでしょう。特に問題意識もなく、疑問ももたず慣れ親しんだ仕事環境を覆すような言動や行動を起こされては、たまったものではありません。

そう、イノベーターは常に嫌われ者なのです。

まず、イノベーターの価値が理解されません。それは何故かというと、イノベーターは変革を起こすために現場、現状、現実(いわば3G)を批判的な目で見て疑問を呈するからです。言い換えれば、暗黙のルールに従って仕事をしている社員とは明らかに「別の視点」で状況を見るからです。画一的な視点で物事を見ることに慣れている、あるいは強要されている社員からすれば、イノベーターの言動は彼らの常識を逸脱するものであり、行動は組織の「和」を乱す以外のなにものでもありません。

結果として、イノベーターと社員の間には溝ができ、話は平行線の一途を辿ります。そして最終的には集団的な反発が起こり、イノベーターは孤軍奮闘を強いられる場合が多いように思います。

しかし、そもそも論で考えると、既成概念を覆すことがイノベーションの本分であるならば、反発もまた必然であり、したがってイノベーターが嫌われるということも必然なのです。

嫌われるということは、いわばイノベーターの宿命とさえ言えるのではないでしょうか。

この前提に立つと、イノベーションを起こすということはどういったことなのか。

恐らく、イノベーションを起こすということは道化を演じることではないでしょうか。

コンテンツ画像-2

イノベーター=道化(?)

嫌われると分かっていながら、孤立無援に陥ると分かっていながら変革を起こそう踏ん張る悲しい道化。実はイノベーションの本質とは道化を演じることかもしれません。

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私はそう思いませんが。